法医学

法医学

 法医学教室 

2015年12月,エナジードリンクに関連したカフェイン中毒の事例が,テレビ,新聞で大きく取り上げられ,福岡大学医学部法医学教室が耳目を集めることになりました.皆さんの記憶に残っていると思います.では,私たちの法医学教室を紹介いたします. 

(1)教室紹介  法医学教室の業務は,解剖室から始まります.死因の究明にあたり,病理学検査をはじめ,薬毒物検査,アルコール検査,DNA検査等を実施し,それらをまとめて,報告書を作成しています.当然ですが,死因究明に繋がる「法医病理学」,「法医中毒学」,「法医血清遺伝学(DNA解析)」の研究に取り組んでいます。興味がある方は研究室を覗いてみて下さい.     法医学というと解剖のイメージが大きいと思います.現在,法医学が取扱う解剖数,法医解剖数は,全国的にも増加しており,福岡大学でも,解剖数は年間100体を超えています.取り扱う事例も,事件・事故ばかりでなく,死因究明を目的とするものも多くなっています.また,法医解剖は時代を反映するものでもあります.高齢者,熱中症,薬物関連等の事例が増えています.学生さんの解剖見学・研修も受け入れています.感染防御施設となっていますので,安心して参加して下さい. 

スタッフは,教授:久保真一(長崎大学医学部卒・長崎大学大学院医学研究科修了),准教授:柏木正之(弘前大学医学部卒),講師:原 健二(福岡大学理学部卒),講師:松末 綾(九州大学薬学部卒・九州大学大学院薬学研究科修了),助教:ブライアン・ウォーターズ(ノースキャロライナ州立大学卒・カリフォルニア州立大学ロサンゼルス大学院修了),髙山 みお(佐賀大学医学部卒,福岡大学大学院医学研究科修了)の教員6名,大学院生1名(医学部卒,薬学部卒)と教育技術職員2名,研究生3名(医師2名,他の研究所所属1名),研究補助職員3名です.  

(2)主な研究内容 法医学教室では,「法医実務に還元できる研究」をモットーに研究に取り組んでおります.研究の成果として,2016年は優秀ポスター賞(ドイツ法医学会)を受賞しました. 

     1)法医中毒学の研究では,分析方法の開発,微量な薬物をいかに迅速に正確に測るかを研究しています.

     2)法医病理学の研究では,様々な死因について,新しい診断方法の開発に取り組んでいます. 

     3)法医血清遺伝学の研究では,剖検診断に関わる遺伝子異常の検索,DNA多型検査による個人識別に取り組んでいます. 

皆さんご存じですか? 冒頭にカフェイン中毒の事例をあげましたが,私たちの研究室は,薬毒物分析で有数の実績を誇る研究室です.社会医学系総合研究室をベースに研究しています.ガスクロマトグラフ・質量分析装置GC-MSや液体クロマトグラフ・質量分析装置LC/MS/MSを駆使し様々な薬物の分析に取り組んでいます。最新のGC-MS/MSも導入され,これらの先端的機器をもとに,多くの分析を行っています.最近話題の「危険ドラッグ」をはじめ,様々な薬物・毒物・医薬品の分析をより迅速かつ正確にできるように,現在取り組んでいるところです. 

(3)医学・医療における法医学の意義  医学部の法医学の講義の際にも強調していますが,法医実務(例えば,死体検案,法医解剖)は,死者に対する「診断」行為です.生きている患者さんに対する診断行為を行う医師ばかりでなく,「死者を診る医師」も重要と考えています.   

   法医学は,研究と実務を通じて医学・医療に貢献することができます.福岡県では,週末や長期休暇期間について解剖当番制をとっています.この期間に,学生さんの検案・解剖見学を受け入れています.法医学に興味がある方は,是非教室に遊びに来て下さい.お待ちしています.また,助教のウォーターズ先生は,ロサンゼルス検視局で犯罪捜査官として薬毒物分析に従事していた先生です.アメリカの法医学の話や,ネーティブスピーカーと英語で会話してみたい学生さんもお待ちしています.