衛生・公衆衛生学

衛生・公衆衛生学

福岡大学医学部 衛生・公衆衛生学

『Prevention is better than cure』 

 みなさんこんにちは!我々の教室を紹介させて頂きます。  

 衛生・公衆衛生学教室は現在、教員4名、教育技術職員1名で構成されている教室です。元々は別々の教室であった衛生学教室と公衆衛生学教室が、2011年3月に統合され、現在の教室名となりました。2016年3月、前主任教授の守山先生が退官され、2016年4月より第2代目主任教授として、有馬先生が滋賀医科大学から着任されました。また2017年4月には九州大学大学院を卒業された前田先生も新たに加わり、更に賑やかになりました。平均年齢は比較的若い教室です。まだまだ人数は多いとは言えませんが、メンバー同士はとても仲が良く、どちらかと言うと癒やし系の教室です(と勝手に思っております)。 

 正直に申し上げると、学生の頃は、なぜ臨床医学以外の学問を学ばなければならないのかと、かなり疑問に思っていました。しかし、医師として何年も働いていると、患者さんと向き合う上で、「衛生・公衆衛生学」という学問がもたらす視点が、患者さんの健康にとってどれ程重要であるかを身に染みて感じるようになりました。本当です。

 衛生・公衆衛生学という学問に馴染みのない多くの方は、そもそも「衛生学と公衆衛生学って何が違うと?」という疑問を持たれるかもしれません。簡単ではありますが、衛生学と公衆衛生学の歴史を紐解いてみたいと思います。衛生という考え方が生まれたのは、ヨーロッパの産業革命の頃です。特に19世紀のイギリスでは、都市の急激な工業化や人口流入によって、生活環境汚染や、衛生環境悪化に伴う感染症の流行が深刻化しました。衣服や住居の消毒、浄水技術、し尿処理法など、生活環境を社会全体が「衛生的に」保つ知識や技術の体系は、「衛生(Hygiene)」と呼ばれました。一方、公衆衛生は20世紀前半にアメリカで推進された考え方です。社会や政府を通じての環境浄化運動や地域社会を健康に保つシステムの整備、また病気が発生する原因を探る「疫学」を重視し、「衛生」を応用的かつ更にグローバルに展開する考え方を「公衆衛生(Public Health)」と呼びました。 

 「Public Health」はWHOで次のように定義されています。 

 Public Health is defined as “the art and science of preventing disease, prolonging life and promoting health through the organized efforts of society  

 「衛生」、「公衆衛生」どちらも環境を整え、疾病を予防し、健康の保持増進をはかることを目的としています。読んで字のごとく「生(せいかつ、せいめい)を衛(まも)る」ものです。良い医師になるためには、基礎医学や臨床医学が重要なことは言うまでもありません。しかし、それに加えて自分たちが住んでいる地域社会の病態を把握し、地域社会に普通に生活している人々、そして地域社会そのものを健康にする方法を学ぶことも同じくらい重要です。臨床のターゲットが目の前の患者さんなら、衛生・公衆衛生学のターゲットは地域や国全体の皆さんなのです。衛生・公衆衛生学に興味を持たれた方は、是非教室のホームページにアクセスしてください。衛生・公衆衛生学が地域に開かれた学問であるように、衛生・公衆衛生学教室も開かれた教室です。 

 いつでもお気軽にお立ち寄りください。